音声・テキストひとつで家中の家電を操作 LG「ThinQ On」が切り拓くスマートホームの未来

LGが「ThinQ On」ハブを発表 家電をジェネレーティブAIで制御する新時代

韓国のLG Electronicsが、家電製品をまとめて制御できるハブ「ThinQ On」を発表しました。これはジェネレーティブAIを活用し、音声やテキスト入力だけで複数の家電を同時に操作できるプラットフォームとして設計されています。

ジェネレーティブAIによる家電制御の進化

ThinQ Onは、例えば「今晩は映画モードで照明を落として、暖房を22度に設定して」といったような一文で、リビングの照明・暖房・音響機器を自動調整できるようになります。LGによると、2025年10月22日以降に韓国国内で順次販売を開始するとのことです。

スマートホーム構築における意義と展望

この発表は、単一の家電操作から、複数機器の連動による“シーン設定”というスマートホームの次のステップを示しています。ユーザーが意図を言語化すれば、AIがその意図を読み取り、複数家電を一括制御するという流れです。今後はこのようなハブが各社から登場し、異なるメーカーの家電をまたがる統合システムが一般化する可能性があります。

スマートホーム導入時に押さえておきたいポイント

こうしたAI搭載ハブを選ぶ際には、以下の点を確認すると良いでしょう。対応する家電のブランド・モデル、AIが理解できる命令文の幅、プライバシー・データ管理の体制、そして将来のソフトウェアアップデートや拡張性です。LGのThinQ Onは、まさにこれらの観点からスマートホーム構築を加速させる方策として注目されます。

SwitchBotがMatter対応照明を投入、フロアランプからロープライトまで4製品を展開

SwitchBotがMatter対応照明シリーズを発表 スマートホーム照明の選択肢が拡大へ

SwitchBotはスマートホーム向けに新たな照明シリーズを発表しました。今回登場したのは、フロアランプ、RGBロープライト、ストリップライト、そしてキャンドルウォーマーランプの4種類です。いずれも最新のスマートホーム共通規格であるMatterに対応しており、Wi-Fiがなくても単体で動作できる点が大きな特徴です。これにより、ハブを持たないユーザーや通信環境が不安定な家庭でも導入しやすくなっています。

製品スペックと価格帯

キャンドルウォーマーランプは49.99ドルで、9.5cm幅・14cm高さまでのキャンドルに対応し、明るさや色温度を自由に調整できます。RGBICネオンワイヤーロープライトは49.99ドルで、2mの長さと柔軟なワイヤーフレーム構造により、壁や家具に自由に設置可能です。RGBICWWフロアランプは89.99ドルで、高さ1.35m、RGB・クールホワイト・ウォームホワイトを切り替えられる100度照射範囲を持ちます。RGBICWWストリップライトは49.99ドルで、5mの長さを持ち、12.5cmごとにカットして好みの長さに調整できます。

Wi-Fi不要・単独動作の意義

SwitchBotの新シリーズが注目される理由は、Wi-Fiを介さずに動作できる点にあります。従来のスマート照明はルーターやクラウド接続に依存していましたが、これらの製品はローカルネットワーク上で直接制御が可能です。Matter対応により、Apple Home、Google Home、Amazon Alexaなど異なるプラットフォームとの互換性も確保され、より柔軟なスマートホーム構築が可能になります。

導入検討時のポイント

スマート照明を導入する際には、まずMatter対応であるかどうかを確認することが重要です。複数ブランドの機器を統合しやすく、今後の拡張にも対応できます。また、Wi-Fi不要モデルは通信障害時にも動作しやすく、安定性に優れています。照明の種類や設置環境に合わせてフロアランプ、ストリップライト、ロープライトなどを選び、オートメーションや音声操作に対応させることで、快適で一貫したスマートホーム体験を実現できます。

スマートホームの進化と今後の展望

SwitchBotのMatter対応照明シリーズは、スマートホーム市場における新たな方向性を示す製品群です。通信環境やブランドの壁を超えた柔軟な連携が可能になり、より多くのユーザーが自宅の照明をスマート化できるようになっています。Matter規格を軸にしたSwitchBotの展開は、スマート照明の標準化とユーザー体験の向上を後押しする存在となるでしょう。

ADT Plusが登場 ― 顔認証と位置情報で“ハンズフリー”なホームセキュリティを実現

ADT Plusが実現する“顔認証のスマートセキュリティ”体験
セキュリティが“手を使わず”で完結する時代へ

ADT Plusは、150年以上の歴史をもつ老舗セキュリティ会社ADTが、Googleとの提携で開発した最新ホームセキュリティシステムです。ユーザーが玄関に近づくだけで、自動的にドアが解錠され、警報が解除されるという“鍵もスマホ操作も不要”の体験を実現しています。これは、Google Nestのドアベル内顔認識機能とスマホの位置情報を組み合わせた二要素認証によって可能になっています。

Google Nestとの深い統合と新機能「Trusted Neighbor」

ADT Plusは特にGoogle Nestデバイスとの親和性が高く、カメラを用いた顔認識、人物、配送物、車両の検知など、スマート監視の高度化が図られています。さらに「Trusted Neighbor(信頼された隣人)」という新機能では、指定した近隣者に限定的かつ条件付きで家の鍵と警備システムの解除権限を付与できます。たとえば配達が来たときに隣人が荷物を受け取れるよう、顔認識とスマホ認証で自動的にドアを解錠し、警備を一時的に解除して再設定することができます。

製品構成・接続技術・価格のポイント

ハードウェア構成としては、ベースステーションにDECT ULE、Z-Wave、Thread、Wi-Fi、セルラー、Bluetoothを搭載。ドアや窓のセンサー、モーションセンサー、スマートロック対応アクセサリーなどが連携します。通信にはDECT ULEを採用し、従来の433MHz帯RFよりも安定した双方向通信と長い電池寿命を実現しました。価格は入門キットが約270ドルから、カメラやスマートロックを含むパッケージは700ドル前後。月額監視サービス料金は約40ドルで、主要競合よりやや高めに設定されています。

注意すべき契約条件とエコシステムの制約

この便利な体験には注意点もあります。プロ設置版では36か月契約が必要で、途中解約時には残額の最大75%を違約金として請求される可能性があります。また、本システムはGoogle Homeプラットフォーム専用として設計されており、Apple HomeKitやAmazon Alexaなど他のプラットフォームとは互換性が限定的です。既存のスマートホーム環境がGoogle以外の場合には、導入前に整合性を確認することが重要です。

スマートホーム監視の新しい“フロントライン”

ADT Plusは、スマートホームセキュリティの新しい基準を示す存在です。鍵を探したりアプリを開いたりする必要がなく、顔認識と位置情報による自動認証で“入るだけで解錠”という未来を実現しています。その一方で、導入にはGoogle Nest環境の整備や契約条件の理解が欠かせません。スマートホームの利便性とセキュリティを両立させたいユーザー、特にGoogleエコシステム中心の環境を構築している人にとって、ADT Plusは有力な選択肢となるでしょう。