IKEAが“Matter”対応スマートホーム新製品21種を発表 — 誰でも使いやすいホームIoTへ

1.スマートホームの新展開

IKEAは、スマートホーム製品の新レンジを発表しました。21種類の新製品が、“Matter”というユニバーサルなスマートホーム規格に対応しており、照明・センサー・コントロール系にフォーカスしています。IKEA
この発表により、スマートホーム技術を「より使いやすく、より手頃に、日常生活に適応したもの」にするという同社の狙いが明確になります。IKEA


2.3つの主要カテゴリにフォーカス

IKEAの新レンジは、以下の3つのセグメントに注力しています:

  • 照明(Lighting):形・サイズ・明るさ・色スペクトルなどバラエティ豊富なスマート電球を展開。IKEA+1
  • センサー(Sensors):モーション、空気質、湿度、水漏れなど、住まいの安心・快適を支える各種センサー。IKEA
  • コントロール(Control):リモート・スマートプラグ等、既存の製品を“スマート化”できる手段も提供。IKEA
    このように、住まい全体をスマートにするための“土台”が意図的に整えられています。

3.Matter対応がもたらすメリット

“Matter”対応という点が今回の最大のポイントです。IKEAは自社のスマートホームハブ「DIRIGERA」をはじめとし、他社のハブでも連携できるよう設計されています。IKEA
これにより、異なるブランドのスマートデバイスとの互換性が向上し、ユーザーはメーカーを問わず“つながる”家づくりが可能になります。さらに、既存の非Matter製品をMatter規格対応に変換できるブリッジ機能も備えており、移行のハードルも低くしています。IKEA


4.スマートホームを“当たり前”にするために

IKEAの狙いは「スマートホームを理解し、使いこなせるものにすること」。同社レンジ・マネージャーの言葉にもあるように、「これまでは多くの人にとって使いにくかった/手が届きにくかった」スマートホーム技術を、より多くの人が“始められる・使える”ものに変える挑戦です。IKEA
また、IKEAはこの展開を第一歩と位置付け、今後も新たな製品カテゴリへ拡大を図るとしています。IKEA

Z-Wave Alliance Summit 2025開催:世界100社が集結し、スマートホームの未来を共創


1. 世界100社が集結したZ-Wave最大イベント

Z-Wave Allianceは、世界中から100社以上のメンバーが集まる年次最大イベント「Z-Wave Alliance Summit & Unplug Fest 2025」を開催しました。ダイヤモンドスポンサーであるTrident IoTの主催により、3日間にわたるイベントでは、実機テスト、戦略的インサイト、そしてコミュニティ交流が融合。Z-Waveエコシステムの進化と強靭さを改めて示す場となりました。


2. 「Unplug Fest」で実証された相互運用性と技術力

毎年恒例の「Unplug Fest」では、エンジニアが最新デバイスやファームウェアの相互運用性をリアルタイムで検証できる貴重な機会を提供。今年は特に、スカイダイビングによるレンジテストが注目を集め、Z-Waveの高い信頼性と長距離通信性能を文字通り“空の上”で実証しました。この大胆なデモは、革新性と遊び心に満ちた瞬間として多くの参加者を魅了しました。


3. 技術・市場・規制を見据えた深掘りセッション

サミットでは、Z-Waveの将来像や市場機会、規制動向を中心に多彩なセッションが実施されました。特に、Z-Wave Long Rangeセキュリティ強化AI応用オープンソース統合などのテーマが議論の中心に。さらに、集合住宅(MDU)市場への浸透異業種連携マーケティングの戦略も共有され、Z-Wave技術の新たな展開への期待が高まりました。


4. “協働が革新を生む”という確かなメッセージ

3日間を通じて明確に示されたのは、「コラボレーションこそがイノベーションを生む原動力」というメッセージでした。各社がアイデアを交換し、現実的な課題に取り組む中で、Z-Wave Allianceは相互運用性の推進スマートホーム・スマートビル市場の拡大に向けた確固たるビジョンを再確認しました。


5. 感謝とともに締めくくられた成功のサミット

最後に、Z-Wave Allianceは今回のイベントを支えたスポンサー企業に特別な感謝を表明しました。
協賛企業は以下の通りです:ADT、Aeotec、Alarm.com、ASSA ABLOY、BlueConnect Partners、Fortune Brands Innovations、MKLogic、Johnson Controls、SEACOMP、Silicon Labs、Trident IoT、XThings、Zooz
彼らのサポートが、Z-Waveコミュニティのさらなる発展を支える原動力となりました。

Infineon、オーストリアにUWBアプリケーションラボを開設:超高精度・高セキュリティ通信の次世代を牽引


1. グラーツに誕生したUWB専用アプリケーションラボ

Infineon Technologies AGは、オーストリア・グラーツにUltra-Wideband(UWB)アプリケーションラボを新設しました。本ラボは**Silicon Austria Labs(SAL)**との協力で設立され、UWB技術の発展と実用化を目的としています。自動車、産業、IoT、コンシューマー市場など、幅広い分野での新たなユースケースを探索し、研究成果を実際の製品開発へと結びつける拠点として位置づけられています。


2. 研究と実証を融合するイノベーション拠点

UWBは、センチメートル単位の高精度な位置特定と高いセキュリティを両立する最先端の無線通信技術です。このラボでは、モーションキャプチャシステム自律型ロボットなどの最新設備を備え、IoTデバイスから自動車システムまで柔軟にテストを実施可能。InfineonのWi-Fi・Bluetooth®・NFCを含む強固なコネクティビティ製品群と連携し、**「安全で正確なローカリゼーション技術」**の実用化を加速させます。


3. 3db Access買収とFiRa理事就任に見る戦略的展開

Infineonは2023年にUWBの先駆企業3db Access AGを買収し、さらに2025年5月には**FiRa® Consortium(UWB業界をリードする国際組織)**の理事会に加盟しました。これにより、同社はUWB分野でのリーダーシップをさらに強化。Infineonのシニア・バイスプレジデント Maurizio Skerlj氏は「このラボは、スマートかつ安全な社会の実現に向けたUWBの可能性を最大限に引き出すものだ」と語り、SALのCEO Christina Hirschl氏も「記録的な速さで完成したこの施設は、UWBチップを活用した革新的なソリューションを生み出す基盤となる」と述べています。


4. UWBが拓く産業横断の新しい可能性

UWBは、BluetoothやWi-Fiとは異なり、干渉に強く、センチ単位の測位精度を実現することで注目を集めています。具体的な応用例としては、

  • 自動車分野:スマートキーによる安全なキーレスアクセス、車内の子ども検知など安全機能
  • IoT・スマートホーム:屋内ナビゲーション、資産トラッキング、空間認識による自動制御
  • 産業用途:ロボティクスや倉庫管理における高精度位置把握
    などが挙げられます。これらの応用が進むことで、UWB市場は2021年の14億ドルから2030年には47億ドルへ成長し、年平均成長率(CAGR)は**18.9%**に達すると予測されています(Grand View Research調べ)。

5. 安全でつながる社会へ:InfineonのUWBビジョン

今回のUWBアプリケーションラボ開設は、Infineonが掲げる「強固・安全・つながる世界」というビジョンの象徴です。研究機関やパートナー企業との連携を通じて、UWBの産業応用を現実の価値へと転換し、次世代スマート社会の実現に貢献していきます。