DigiCertとパナソニック、Matter対応スマートホームデバイスの導入を加速
パートナーシップの発表
パナソニックインダストリーヨーロッパは、DigiCertの「Device Trust Manager」を自社のインテリジェント製造サービス「PAN-MaX」に統合することを発表しました。この統合により、Matter認証標準に準拠したスマートホームデバイスの認証プロセスが効率化され、セキュリティが製造段階から組み込まれることを目指しています。
Matterの重要性と需要
Matterは、スマートホームデバイスが異なるプラットフォーム間で相互運用できるようにするための標準規格です。DigiCertとパナソニックは、このパートナーシップが市場の急成長に伴うセキュリティ、コンプライアンス、相互運用性の要求に対応するために重要だと考えています。Fortune Business Insightsによる調査では、スマートホーム市場は急速に成長し、2032年までに6332.0億ドルに達すると予測されています。
DAC(デバイス認証証明書)の重要性
Matter対応デバイスには、Device Attestation Certificate(DAC)というデジタル証明書が必要です。この証明書は、CSA認定の製品認証機関(PAA)によって発行され、DACなしではデバイスはエコシステム内で機能しません。DigiCertは、この証明書を発行できる信頼された認証機関の一つとして、多くのMatter認証顧客をサポートしています。
PAN-MaXサービスの効率化とメリット
DigiCertのDevice Trust ManagerとパナソニックのPAN-MaXサービスの統合により、Matter認証が迅速化され、製造業者は自動的にDACを取得できるようになります。この統合により、手動での証明書承認を待つことなく、セキュリティが製造ラインで確保され、製品の市場投入がスムーズに進みます。これにより、製造業者はスピードとセキュリティを両立できるようになります。
未来への展望
DigiCertのKevin Hilscher氏は、「DigiCertはMatterにおいて重要な貢献をしており、Matterデバイス証明書を発行できる数少ない信頼された認証機関の一つです」と述べています。また、パナソニックインダストリーヨーロッパのChetan Joshi氏は、「スマートホーム革命には信頼の基盤が必要であり、パナソニックとDigiCertは、デバイスが製造段階からセキュリティと認証が確保される新しい基準を設定しています」と強調しています。
TP-Link、AI搭載の初のスマートホームハブ「Tapo H500」を発表
TP-Linkは、同社初のスマートホームハブ「Tapo H500」を発表しました。この新しいデバイスは、デュアルバンドWi-Fi接続を提供し、最大16台のカメラと64台のセンサーをサポート、さらに最大16TBのローカルストレージとMatter規格への対応により、幅広いデバイスとの統合が可能です。現在、ヨーロッパの一部地域で€130で販売されており、他の地域での発売後、予想される価格は£120(約$150)程度です。
スマートホームシステムを簡素化
Tapo H500は、TP-LinkのTapoシリーズのプラグやセキュリティカメラといった製品で広く知られる同社が、新たに投入したスマートホームエコシステムの中核を担っています。このデバイスは、最大16台のTapoカメラと64台のセンサーを接続でき、スマートホームの設定を簡素化します。さらに、複数のメーカーが開発したデバイスとも互換性を持つMatter規格に対応しており、シームレスな連携が可能です。
Matter対応とローカルストレージ
Tapo H500は、Matter対応のデバイスをサポートしており、TP-Link製品だけでなく、他のMatter認証デバイスとも簡単に連携できます。また、16GBの内蔵eMMCストレージを備え、最大16TBまでハードドライブやSSDで拡張可能です。1TBのストレージでは、4台のカメラからの連続録画が数週間にわたって可能で、動体検知によるイベントのみを保存すれば、さらに長期間録画を維持できます。このローカルストレージ方式は、プライバシーの向上とクラウドストレージのサブスクリプション料を削減する利点もあります。
Tapoカメラの機能強化
H500は、AI機能を搭載していないTapoカメラの性能を向上させる設計です。H500に接続することで、顔認識やより精度の高いスマート検出機能などが追加され、カメラの機能が強化されます。この機能により、TapoカメラをAI対応の高度な監視デバイスへと進化させることができます。
Advanced Matter Bridging:Google Homeでのスマートホーム体験を強化
https://9to5google.com/2025/05/16/aqara-advanced-matter-bridging/
Aqaraの「Advanced Matter Bridging」機能が、Matter対応デバイスの使用に新たな可能性を開きました。この機能を使えば、Google Homeなど他のMatter対応アプリで、Aqaraアプリ専用の高度な機能やオートメーションが活用できるようになります。これにより、Matterデバイスの活用範囲が大幅に広がり、従来の制約を打破します。
Aqara独自の機能を他のアプリで使用可能に
Aqaraアプリ内でのみ利用できた顔認識やジェスチャー認識、条件設定(例えば、「もしAならBを実行」)などが、Google Homeアプリなどの他のMatterアプリでも使用できるようになります。これにより、デバイスの機能が失われることなく、Matterのエコシステム内で効率的に連携できるようになりました。
スマートホーム体験をさらに向上
この「Advanced Matter Bridging」機能は、Aqaraのさまざまな製品に対応しており、Matterプラットフォームを問わず、Aqaraデバイスの機能を他のスマートホーム環境で活用できるようにします。例えば、Aqaraカメラの顔認識機能をGoogle Homeやその他のMatter対応プラットフォームと同期し、自宅のセキュリティを強化することができます。
Aqara Hub G5 ProとCamera Hub G3の活用
この機能は、Aqara Hub M3をはじめ、Aqara Camera Hub G3やG5 Proでも利用可能です。これらのハブは、Matterのコントローラーやスレッド・ボーダールーター、Zigbeeハブとして機能し、Aqara製品や他のMatter対応デバイスを接続して管理できます。特にG5 Proは、セキュリティカメラだけでなく、視覚AI機能や夜間フルカラー機能を搭載しており、屋外のスマートホームのハブとしても活躍します。
低価格でのエントリーオプション
予算を抑えたスマートホームの構築を希望する方には、Aqara Hub M100が最適です。このハブは、最大20のZigbeeデバイスと20のThreadデバイスを同時に接続でき、入門者にも使いやすい価格で、Aqara製品の独自機能を活用したオートメーションが可能になります。
Matter 1.4.1 アップデート:スマートホーム設定がさらに簡単に
最新のMatterアップデート、バージョン1.4.1が登場しました。今回は新しいデバイスタイプの追加ではなく、バックグラウンドでの改善が中心となっており、スマートホームデバイスのセットアップをより簡単に、スムーズに進められるようにすることが目的です。
これまでの「ドット」更新とは異なり、今回のアップデートは「マイナー」リリースとして発表されました。この新しい命名システムに基づき、これからは主要な更新には「ドット」、マイナーな更新には「ドットドット」が使われることになります。2025年の初回アップデートは、マイナーな改善に焦点を当てており、デバイスのカテゴリ追加よりも、使い勝手の向上がメインです。
主な改善点:
- Enhanced Setup Flow (ESF)
ESF機能により、製造者はユーザーがデバイスをセットアップする際、アプリ内で直接利用規約を表示し、同意を得ることができるようになります。この改善により、ユーザーは異なるアプリ間を行き来して契約を承諾する手間が減り、セットアップが容易になります。 - マルチデバイスQRコード対応
複数のスマートバルブやプラグをセットアップする際、個別にQRコードをスキャンする手間を軽減する新機能です。これにより、一度に複数のデバイスを効率よく設定できるようになり、時間の節約になります。 - NFCオンボーディング
NFC技術を活用し、Matterデバイスのセットアップをさらに簡単にします。これにより、デバイスをタッチするだけで瞬時に設定が完了するため、非常に直感的な操作が可能になります。
このアップデートにより、Matterデバイスの導入がさらにシンプルで一貫性のあるものとなり、ユーザーの体験が大きく向上するでしょう。
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