Appleの「HomeKit」ブランド、スマートホーム戦略の刷新で消滅か
https://9to5mac.com/2025/08/11/apples-homekit-brand-could-disappear-in-big-new-smart-home-push
Appleは、近く発表予定のスマートホーム分野への新たな投資に向けて準備を進めており、最新のtvOS 26ベータ版の変更点から、一部にはHomeKitブランドを廃止し、新たな統一ブランドに置き換える計画があると噂されています。
スマートホーム製品と技術の新ブランドは「Apple Home」へ
昨年秋の噂では、2025年はAppleのスマートホームの分野に大きなアップデートがくると予想されていました。iPadとHomePodを組み合わせたような新型スマートディスプレイが3月に発売予定でした。しかしこの製品は、今春予定されていたSiriのアップグレードに大きく依存していたため、無期限延期となっています。それでもAppleは今年、新しいApple TV 4KとHomePod mini 2という2つの新しいHome製品を発売予定です。
一方、スマートディスプレイ(「HomePod Touch」という名称になる可能性も)は、他の新しいHome製品とともに2026年の登場が予定されています。
この一連の新製品(今秋に2つ、2026年に少なくとも3つ)に先立ち、Appleはスマートホーム関連製品のブランドの整理を画策しているようです。
The Verifierの報告によると、先週リリースされたtvOS 26ベータ5では、設定アプリ内の「HomeKit」という表記が「Apple Home」に置き換えられていました。Apple Homeは、スマートホーム関連すべてを包括する新たな統一ブランドになるとみられています。
HomeKitは内部API名称として存続か
ユーザーの間では、HomeKitが内部的なAPIやシステム名としては残り、インターフェース上での名称が変更されるだけではないかという見方もあります。他のAppleの名称変更と整合性を持たせた形です。早ければ来月にも、HomeKitがこの新しいブランド名「Apple Home」に置き換わる可能性があります。Appleがスマートホーム戦略のブランドを強化・簡素化しようとしているのは、驚くことではありません。「HomeKit」という用語の段階的な廃止が、Appleの今後の製品とともに、より強力で焦点の定まったスマートホーム戦略へとつながることが期待されます。
Matter 1.4.2が登場!ついに安定性と信頼性に本腰!
https://www.theverge.com/matter/757179/matter-1-4-2-spec-release-pushes-platforms-to-play-nicely
異なるプラットフォームでも安定した接続性
2025年8月に発表されたMatter 1.4.2は、派手な新機能ではなく、信頼性と安定性の強化に焦点を当てたアップデートとなりました。Apple、Amazon、Googleなどのプラットフォーム間でのデバイス操作の標準化、通信効率の改善、無線接続の最適化といった「土台」の見直しが進められました。特にWi-Fiルーターへの対応強化により、マルチキャストトラフィックの管理やThreadネットワーク情報の保存など、接続トラブルの予防が可能になると期待されています。
ルーター・ネットワーク関連の改良
Wi-Fiルーターは今回のアップデートで特に重要な位置づけです。1.4.2ではルーターの最低対応基準(Thread機器150台、Wi-Fi機器100台)も設定され、Target Wake Time による省電力対応や、Wi-Fiのみでの初期設定(Bluetooth不要)の導入など、ネットワーク管理の柔軟性が大きく向上しました。さらに、チェックイン頻度の最適化によって、通信負荷の軽減と電池寿命の延長も実現します。
セキュリティとユーザー体験の改善
IoTの不安要素であるクローン製品対策として、Matter機器の固有IDの無効化機能が導入されました。また、Matterコントローラー自身の正当性確認機能や、ルーターへのアクセス制限(ARL)機能など、セキュリティ面の強化も進められています。さらに、シーン設定の標準化、複数登録機器の重複表示回避、ファームウェアアップデートによる自動通知、ロボット掃除機の一貫した挙動など、ユーザー体験の細部改善も随所に施されています。
エコシステム普及への課題と今後
今回の1.4.2は、Matterの標準化を推し進めるConnectivity Standards Allianceによる「本気のテコ入れ」と言えますが、実際にユーザーが恩恵を得るには、エコシステムやデバイスメーカー各社が早期に対応・更新する必要があります。CSAは新仕様への移行を迅速かつ低コストで行う「ファストトラックプログラム」も用意していますが、大手プラットフォーマーの動きが鈍い現状では、普及には時間がかかるでしょう。Matterが本当の意味で“安定した標準”となるかどうかは、今後数か月の各社の対応にかかっています。
Matterの進化で、より安価なHomeKit対応デバイスとスムーズな操作が実現へ
HomeKit互換性を幅広いデバイスにもたらすMatter規格が、大きなアップグレードを迎えています。最新バージョンにより、より安価なHomeKit対応スマートホームデバイスの製造が可能になり、既存デバイスの操作もよりスムーズになります。
MatterとHomeKitの関係
従来、HomeKit対応を目指すブランドは、Apple独自の規格に準拠し、承認を受ける必要がありました。Matter規格ではこれらのステップが不要となり、Matter対応デバイスは自動的にHomeKit、Google Home、Alexa、SmartThingsと互換性を持つようになります。
より安価なHomeKit対応デバイスの登場へ
現在、多くのスマートホームデバイスはBluetoothとWi-Fiの両方をサポートしており、Bluetoothは初期設定時にしか使用されないことがほとんどです。しかし両方の無線規格を搭載することは、製造コストの上昇につながっています。Matterの最新バージョン(1.4.2)では、Wi-Fiのみでの初期設定(WiFi-only commissioning)に対応。これにより、Bluetoothの搭載が不要となり、デバイスの価格が下がる可能性があります。
シーンの操作性と安定性が向上
たとえば時間の経過に応じて照明の明るさや色温度を徐々に変化させるような「シーン」では、これまで各デバイスに段階的なコマンドを個別に送信する必要がありました。Matterは今回、「Time-Based Behavior」をサポート。複数のデバイスをより少ないコマンドで同期させることができるようになり、信頼性の向上が期待されます。
バッテリー持続時間と応答性の改善
Quieter Reportingと呼ばれる新機能も加わりました。これは、デバイスがHomeKitに対して状態を報告する頻度を下げることで、ネットワーク全体のデータ量を減らす仕組みです。これにより、多数のデバイスがある家庭においても、バッテリー寿命の延長と応答性の向上が期待されます。
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