スマートホームニュース#77 Matterの認証取得が簡単に、Aqaraアプリの新バージョンについて、ロボロックの芝刈り機と掃除機

Matter開発を加速:CSAのDevキット/SDK認証制度で認証取得が簡単に

https://www.hackster.io/news/the-connectivity-standards-alliance-eases-matter-makers-paperwork-with-dev-kit-sdk-certification-e8771a7f3c7f

背景:Matterとは
スマートホームの世界では、メーカーやプラットフォームごとに接続方式が異なることが課題となってきました。MatterはAmazon、Apple、Google、Samsungなどが参加するアライアンスによって共同開発されたスマートホーム標準規格で、ブランドの違いを超えて機器同士が相互運用できることを目指しています。


認証制度の拡張:開発環境も対象に
これまでMatterの認証は完成した最終製品に対して行われてきました。しかし、CSAは新たに、開発ボード(Dev Kit)、SoC、SDKにも認証を適用する仕組みを導入しました。この仕組みによって、開発者は認証済みのプラットフォームを利用して製品を設計すれば、そのまま認証を引き継ぐことができます。


認証によるメリット
この制度が導入されたことで、メーカーは重複した認証プロセスを省けるようになり、開発から量産までの期間を短縮できます。また、基盤部分があらかじめ検証されているため、製品の品質や相互運用性も高まりやすくなります。すでにEspressif、Nordic、NXP、Silicon Labsといったベンダーが先行して認証を取得しており、Realtekも今後対応する予定です。


今後の展望と課題
今後は、より多様なハードウェアやソフトウェア構成に認証を広げていくことが重要になります。その際には、審査にかかるコストや手続きのわかりやすさが普及のカギを握ります。特に中小規模のメーカーやスタートアップが活用しやすい制度にすることで、Matter対応製品の普及が進み、スマートホーム市場のさらなる成長につながると期待されています。

Aqaraアプリ6.0登場:自動化を一新し、スマートホーム体験がさらに進化!

https://www.linkedin.com/posts/aqara_the-aqara-app-600-is-here-and-its-a-activity-7377026005107965953-1yHJ

Aqaraアプリ6.0の公開
Aqaraは最新版となるAqaraアプリ6.0を公開しました。今回のアップデートは「ゲームチェンジャー」と表現されており、アプリを一から再設計して、より強力で直感的、かつカスタマイズ性の高い自動化を実現しています。数か月にわたるユーザーフィードバックと開発を反映した、これまでで最も大規模な改善です。


Automations 2.0:新しいロジックで柔軟性向上
従来の「IF–THEN」モデルから、「WHEN–IF–THEN」ロジックに進化しました。これにより、現実的なシナリオや多段階のルーチンを簡単に構築できるようになっています。例えば「平日の日の出のとき、天気が晴れていればカーテンを開ける」といった、より実用的で細かい条件設定が可能です。さらに、条件に「NOT」を設定できるようになり、より複雑なルールも実現できます。


新しいUIとデバイス制御の強化
アプリのUIは刷新され、使用デバイスのグラフィック表示によって複雑なルーチンも視覚的に把握しやすくなりました。また、複数デバイスをまとめて条件に紐づける「一括選択機能」や、順次トリガー機能によって、1つのスイッチから複数のオートメーションやシーンを実行できるようになっています。これにより、大規模な住居や高度な設定でも柔軟に対応できます。


日の出・日の入りスケジュール
多くの要望に応え、日の出・日の入りをトリガー条件として設定できるようになりました。さらに、最大4時間までのオフセット指定が可能で、15分単位で細かく調整できます。これにより、ライフスタイルにあったルールを利用できます。


Copilotの制御とユーザー主導の体験
AIアシスタント「Aqara Copilot」も改良され、必要に応じて非表示や無効化ができるようになりました。一時停止や無効化することも可能なので、ユーザー自身がAIの介入度合いを自由にコントロールできるようになりました。

まとめ:次世代のスマートホーム体験へ
Aqaraアプリ6.0は、これまで以上に直感的で柔軟、そしてパーソナルなスマートホーム体験を実現しています。部屋全体の制御から複雑なトリガー設定、AIのON/OFFまで、ユーザーが主体となって暮らしをデザインできるのが大きな特徴です。今すぐアップデートして、スマートホーム自動化の新たな章を体験してみてはいかがでしょうか。

ロボロック、屋外対応ロボット芝刈り機と革新的な家庭用清掃製品を発表

https://www.the-ambient.com/news/roborock-launches-outdoor-robot-mowers-and-innovative-cleaning-products-for-the-home

屋外対応ロボット芝刈り機への進出
ロボロックはIFA 2025にて、これまで主力だった室内清掃ロボット領域を越え、初のロボット芝刈り機(RockMow Z1、RockMow S1、RockNeo Q1)を発表しました。これらは最大傾斜度38〜39度の斜面を登れる四輪駆動(AWD)仕様や、RTK+vSLAM方式の高精度ナビゲーションが特徴とされており、屋外での芝刈りの自由度を高める試みといえます。

室内デバイスもアップデート
同時にロボロックは既存の室内製品の刷新・拡張も行っています。Qrevo Curv 2 Proは25,000 Paの強力吸引力を備えながら、極めてスリムなデザインを維持。床の種類に応じて車体の高さを自動調整する機構も搭載しています。 また、手持ち型のF25 Ultraはスチーム+高温洗浄モードを備え、頑固な汚れにも対応可能な能力を示しています。 さらに、布・衣類向け製品としてはZeo X洗濯乾燥機も公開され、低温干し・微細泡洗浄など新技術を取り入れています。

市場戦略と技術的チャレンジ
屋外対応ロボット芝刈り機は、雨やぬかるみなどの過酷な環境下での耐久性や障害物回避が課題となる領域です。室内向け技術を屋外へ拡張できるかどうかが、ロボロックがこの市場で成功できるかの鍵となるでしょう。 また、室内製品ではモップ・布製品など多様な用途を実現していく動きが見られ、UXの向上を目指す姿勢が明確です。

ロボロックに期待!
ロボロックが屋外製品を手がけることは、スマートホーム/スマート掃除機業界での優位性を示す大きなステップです。将来的には庭と室内をシームレスに管理できる統合プラットフォームを目指す布石とも言えます。2026年以降、この動きがどのように市場に受け入れられるか注目されます。